第5章 カウンターデッキ 

 

1.カウンターデッキの構成


カウンターデッキというのは、デッキの中の呪文カードに多数の打ち消し系の呪文を入れることで、自分にとって致命的となる相手の呪文を打ち消して、優位を継続させることを目的としたデッキだ。打ち消し呪文は青の呪文がほとんどだから、デッキの色は自然と青くなるな。打ち消し呪文の事を一般的にカウンター呪文という。

相手の呪文をうち消すだけで良いんですか?

もちろん、相手の呪文をうち消すだけだと勝つことは出来ない。だから数枚の勝ち手段を盛り込むのが普通だ。場を支配できるほどの大型のクリーチャーや、環境をコントロールするアーティファクトやエンチャントなどを使う場合が多いな。

なんか嫌な感じのデッキですね。

相手の攻撃を全て喰らって、それでもまだ生き残っていられるほどMTGは甘いゲームじゃない。相手に好きに動かれていたら確実に負けるだろう。だから、自分が動く事も大事だが、相手の行動を妨害する事も重要な項目となるのさ。最終的に勝利するときにはライフ以外のかなりの部分で圧倒的なアドバンテージを取っているのが普通だ。

 

2.長所


カウンターデッキの長所には、いったん手に入れた優位を簡単には手放すことはないということがある。どんな状況であってもそれをくつがえすことができるカードは存在するが、打ち消し呪文が有ればそれら逆転のカードを打ち消すことで自分の優位を持続させることが出来る。

そうしている間に殴り勝つわけですね?

殴り勝つのが目的じゃない。カウンターデッキは場の支配を構築するのが目的だ。

勝つのが目的じゃないんですか?

もちろん勝つことが目標なのは間違いない。だが、カウンターデッキの場合、「勝利」というのは場を支配した結果に手に入る最終的なものなんだ。場の優位を獲得している間は、その期間が長ければ長いほどアドバンテージが獲得できるからな。せっかく構築した環境を破壊したり、逆手にとって逆転したりするようなカードをうち消してやることでその優位を持続させるわけだ。

なるほど。

だいいち、打ち消し呪文じゃないと対抗できない呪文もたくさんある。パーマネントなら破壊することもできるが、インスタントやソーサリーなら、逆の効果を持ったインスタントで対抗しない限り、打ち消す以外に方法がない。

じゃぁ、打ち消し呪文は絶対必要と言うことですか?

絶対必要というわけじゃないが、あったら便利ということは確かかもな。で、もう一つの長所は、打ち消し呪文の柔軟性が有る。どんなカードもそれが不要になる機会が結構ある。たとえばクリーチャーを除去するための<恐怖>やアーティファクトやエンチャントを破壊するための<解呪>なども、それらが出てこなければ全くの無駄カードになるだろう?

そうですね。

ところが、呪文をまったく使わないデッキという物はまず無い。打ち消し呪文は不要になることが少ない上に、そういったカードのかわりもつとめてくれる。打ち消すためのマナと手札さえ有ればトランプのジョーカーに似た働きをするのさ。

 

3.対策


と、いったん場の優位をとったカウンターデッキは非常に強い。だが、もちろん対策方法はある。

どうやるんですか?

もちろん、場の優位を取らせない事だ。カウンターデッキは打ち消し呪文に頼る傾向がある。そして打ち消し呪文は相手がプレイしつつある呪文をうち消すことで何も効果を発揮させないという呪文だ。つまり、いったんかけることに成功した呪文や場に出てしまったパーマネントに対しては何も効果を発揮しないんだ。

つまり、パーマネントを出す呪文を使えばいいわけですね?

ただ使えばいいと言うもんじゃない。相手が「これをうち消さ無かったら致命傷になる」というカードを使うことが必要だ。相手のカウンター呪文が足りなくなる以上の致命的なカードを使えばそのうちカウンターしきれなくなって、成功することもあるだろう。

なるほど。他にはないんですか?

じゃぁ、逆に質問だが、カウンター呪文を使うためには何が必要だ?

えーっと、なんでしょう?

カウンター呪文も呪文には違いない。だから、マナと手札が必要なんだ。相手が何か呪文を使ってきたときにカウンターを使えるようにマナと手札を常に確保していなければならない。

そうですね。

だから、カウンターさせないために、相手のマナが出そろう前に場の優位を獲得することはかなり効果的だ。初手第1ターンからマナブーストによって召還された大型クリーチャーになすすべもなくやられるのは良くあるパターンだ。それと同時に、マナの発生源をとことん破壊してカウンター呪文を使わせないというのも方法のひとつだな。

土地破壊ですか?

そういうことになるかな。もう一つは相手の手札からカウンター呪文を捨てさせてしまうというのがある。手札にカウンター呪文が無ければマナがあってもカウンターできないからな。カウンター呪文を捨てさせるために使った手札破壊の呪文をカウンターしたところで、手札からカウンター呪文を無くすという目的は達成しているわけだから、かなり効果がある。手札のないカウンターデッキなどおそれるに足らん。

こっちは手札破壊ですか。

もちろん手札を破壊するだけじゃなく、自分の手札を増やすことも有効だ。手札の増加によって相手のカウンター呪文以上の致命的呪文をプレイできる可能性も高くなる訳だからな。

 

4.改善


ここでカウンターデッキの弱点を克服するために少し改善する方法を考えてみる。

また・・・。基本デッキなんだからそのままにしておけばいいのに。

改善っていって、ひょっとしたら改悪になっているかもしれないが、そんなのとは気にせず俺的に改善することにする。まず、カウンターデッキの弱点を考えてみる。何だった?

場に出たカードをどうすることもできないということですか?

その通り。それがカウンターデッキの弱点の第1候補だ。場に出る前には打ち消し呪文でどうにでもできるカウンターデッキだが、場に出てしまったパーマネントを何とかする手段はほとんど無い。だから、いったん手札に戻してやる<ブーメラン>の様なカードや、直接破壊する<解呪>や<ショック>などのカードは常に有効な選択肢となるんだ。

さっきは無駄カードになる可能性もあるっていっていたのに。

それは場の優位が完全に決定してからのことだよ。相手の呪文を全てうち消すことができるようになれば土地の様な打ち消せない物以外は何も場に出ないから、パーマネント破壊呪文は必要なくなるわけだ。

ということは序盤の相手の優位をくつがえすためということですか?

それが第1の理由だな。だけど、もう一つ理由がある。相手がたくさん呪文を使ってきているときに全てうち消そうと頑張ると、途中でマナが無くなることがある。そういうときに「見過ごすことはできないが今打ち消さなくても大丈夫」というものを見逃して次の呪文のためにマナを温存しておく事が必要なときだってあるわけだ。そして相手が何もしない、終わりだといったときに始めて破壊してやる。<解呪>はその代表だな。

使い方次第と言うことですか?

カードは組み合わせると弱点を補うことができるからな。打ち消し呪文の有効性は十分理解しているつもりだが、<解呪>などの呪文も打ち消し呪文には無い特徴があるということだよ。話を元に戻して、他に弱点は何だったか、考えてみろ。

えーっと、マナを破壊されたり手札を捨てさせられたりするとカウンター出来なくなるということですかね。

そのとおり。だから、常にマナと手札を大量に確保する必要があるわけだ。マナを手に入れるためにはマナブーストカードを使うとか、ドロー操作カードで土地カードを積極的に持ってきたりすることで解決できる。相手よりも多くのマナがあればマナ不足でカウンターできないという心配もなくなる。

じゃぁ、デッキにたくさん土地を入れようっと。

そうすると今度は肝心のカウンター呪文を引けなくなる。まぁ、カウンターデッキは普通よりもたくさんの土地を入れるのが普通だから、あまり問題はないかもしれないがな。ただしその場合は手札を増やすドロー系のカードはカウンターを手に入れるために大量に必要となるだろうな。ドロー操作のカードもかなり有効な選択肢となるが、操作するよりも純粋に手札を増やした方が良いかもしれん。

じゃぁデッキにたくさんのドロー系の呪文いれようっと。

たくさんの土地とたくさんのドローカードを入れて、打ち消し呪文の枚数を減らすとそれこそ本末転倒だぞ。カウンターデッキは、自分にとって致命的となる呪文がうち消せるだけの枚数のカウンター呪文と、それを唱えるために必要なマナが常にあればいいんだからな。その辺はバランスを取る必要があるぞ。

はーい。

そして最後に最も重要なのが、カウンター呪文を節約するカードの導入だ。

なんですかそれ。

カウンターデッキといっても全ての呪文をうち消せる訳じゃない。場の優位を相手にやるわけには行かないから、優位を獲得するまでは打ち消さざるをえない。かといって相手のカードと1対1の取引を続けていたらいつまでたっても優位には立てないうえに、本当に致命的なカードをカウンターしようとするときにはカウンター呪文が無くなっているかもしれない。

そうですね。

そこで、相手のカード2枚分以上の力を発揮するカードを出す必要がある。つまり、環境を支配するカードだ。相手のデッキに入っているカードの大部分を無効化してしまうカードが有るならベスト。

そんなカードあるんですか?

もちろんある。ただ大きいだけのクリーチャーでも相手のデッキの小型クリーチャーは無駄カードに等しくなるだろ?「全てのアーティファクトとエンチャント呪文がプレイできなくなる」というようなカードを場に出したとすると、エンチャントとアーティファクトが無駄カードに早変わりだ。

なるほど。

相手が無駄カードを引けばそれだけカードアドバンテージにつながる。後はそれを逆転するカードをうち消してやればだんだんと優位は広がってくるわけさ。