第1章 リソースって何? 

 

0.戦術指南の意義


さーて、いよいよ戦術指南だ。
今まではゲームのやりかた、つまり勝ち負けに関係なく書いてきたが、ここは完全に「勝つ」事を目的にして、出来るだけ強いデッキを作れるように説明していく。

そんなに強さが大事ですか。

その辺は議論しない。
ファンデッキを使ってみんなでわいわい楽しむのだって、MTGの楽しみかたの1つだ。MTGもゲームだから、本来はそうやって楽しむのが正しい姿なのかもしれない。

ボクはそうだと思います。

ただ、あまりにも弱いデッキを使っていると、対戦ゲーム本来の「対戦」という部分に疑問がでてくる。それに相手だって「対戦」をしたいわけだから、あまりに弱いデッキを使っているとそのうち相手にもされなくなるかもしれない。
強すぎるデッキを使って相手をこてんぱんにしろといっているわけじゃなくて、相手との対戦を楽しめるぐらいの強さは持っていて欲しいと、こういうわけだよ。

そうですか。

「正義無き力が無力であると同時に、力無き正義もまた無力なのです」 と、かの勇者アバンも言っているしな。

誰ですかそれ・・・(汗)

 

1.リソースって何?


MTGは最初、7枚の手札、20点のライフを持ってスタートするよな?

そうですね。

そして、出せるなら1ターンごとに1枚土地を出し、そこからマナを出して、クリーチャーを召還したり、アーティファクトを生成したり、エンチャントを張り付けたり、インスタントやソーサリーを使ったりするよな。

そうですね。

それらのことを「リソース」という。

は?

「リソース」っていうのはつまり「資源」の事だ。7枚の手札、20点のライフ、場にでた土地や、クリーチャー、アーティファクト、エンチャント。さらに言えばライブラリーの残り枚数なんかも「リソース」だ。わかりにくいが、ターンも「リソース」の一種になる。

つまり、場にでているもの全部が資源なんでしょうか?

そういうことだ。俺はブラフなんかも「リソース」の一種だと考えている。まぁ、それは今は説明しなくていいだろう。

 

2.リソースの変換式


ところで、お前はクリーチャーを召還するときにどういうことをする?

土地からマナを出して、そこから召還呪文を使います。

そうだ。ということは、土地からでる「マナ」というリソースを使って、「クリーチャー」というリソースを手に入れるわけだ。

そうなりますね。

これがリソースの変換だ。
たとえば、土地を1枚置くことは手札を1枚消費して、土地を1つ得るというリソース変換をしていることになる。1ターンに1つしかおけないから、「1ターンに1つだけ置ける」というリソースも使うことになるな。
クリーチャーやアーティファクトやエンチャントを場に出す場合も、マナを使って、それぞれを手に入れるわけだ。

インスタントやソーサリーはどうなんですか?

いろんな効果を持ったものがあるが、それもリソースの変換で考えることが出来る。たとえば<ショック>で相手の<灰色熊>を破壊したとしよう。そうするとお前は手札1枚と赤マナ1つを使って、相手の<灰色熊>というリソースを破壊したことになる。細かいことを言うと墓地もリソースになる可能性があるから、相手は<灰色熊>という墓地のリソースを手にいれたことになるかな。

なるほど。

ここで、リソースの変換式を書いておく。といってもそんなにたいそうな物じゃない。当たり前のことだ。

@変換式
 使用するリソース → 出来たリソース

・・・ホントにたいした物じゃないですね。

ところが、これがかなり重要だ。簡単すぎてわかっていない人も多いんだ。
とりあえず代表的なリソースの種類をあげておこう。

 ・手札
 ・ライフ
 ・墓地
 ・土地
 ・クリーチャー
 ・アーティファクト
 ・エンチャント
 ・ターン
 ・ブラフ

 

3.アドバンテージ


さて、MTGで勝つためにはどうする?

そんなの相手の20点のライフを減らしてやればいいじゃないですか。

そうのとおり。だが、それが簡単に行かない。自分が何かするように、相手も何かしてくるからだ。

そうですね。

それでもたいていの場合決着が付く。どうしてだ?

相手よりも強いカードを使っているから?

それは正解の半分だ。答えは「相手よりも有利になっているから」だ。強いカードって言うのは相手よりも有利になれるカードのことだな。

は?

「アドバンテージ」という言葉がある。これは相手と比べてどれだけ有利かを表した言葉だ。たとえば相手よりも1枚手札が多い場合、「1枚の手札アドバンテージが有る」という。相手よりもライフが5点少ない場合は「5点のライフアドバンテージを取られている」とかいうな。

それがどうしたんですか?

この重要性がわからないと大変だぞ。MTGではたいていの場合何らかのリソースでアドバンテージを取った方が勝利するからな。

どうしてですか?

おまえなぁ。たとえば、お前は手札0枚、ライフ1からスタート、俺が手札10枚、ライフ100、場には好きな色マナがでる土地が20枚並んでいる状態から始めて、お前が勝てると思うか?

そんなに差を付けられたら無理ですよぅ。

そうだろ? この「差」のことを「アドバンテージ」っていうんだよ。実際にこんなに差が付くことは滅多にないけどな。それでも決着が付くときはアドバンテージが起こってる。だいたい、決着が付いたときには絶対にライフアドバンテージができてるだろ。相打ちの場合は別だろうけど。

 

4.だから、強いカードは?


さて、ここで問題だ。「強いカード」の条件とは何だ?

そんなこといきなり言われても。・・・そうですね。パワーやタフネスが大きいクリーチャー、効果が強いエンチャントやアーティファクト、状況を一変させるインスタントやソーサリー、といったところではないかと。

それも半分正解。

ちがうんですか?

間違いではないよ。でも、完全な正解ではない。今回の趣旨は「リソース」だからな。

じゃぁ、「リソース」が大きいカード!

意味するところはわかるし、さっきよりマシだがそれも完全じゃないな。だいたい、リソースが大きいって表現は不的確だぞ。リソースは大小じゃなくて、多少を比べるものだ。

ううっ。

正解は「アドバンテージを広げるカード」だ。つまり、相手よりも有利になるカードのことだな。

それはわかってますよ。

本当にわかっているか? じゃぁ、質問だ。<灰色熊>と<スケイズゾンビ>、どちらが強い?

@カード解説
 <灰色熊> 緑1 クリーチャー 2/2
  (特殊能力無し)
 <スケイズゾンビ> 黒2 クリーチャー 2/2
  (特殊能力無し)

これは、<灰色熊>ですね。

なぜだ?

色マナが緑と黒の違いはありますが、基本的に両方とも2/2のクリーチャーで、特殊能力もありません。ということは残るポイントはマナコストですが、<灰色熊>は緑1の2マナで召還できるのに対して、<スケイズゾンビ>は黒2の3マナかかります。つまり、<灰色熊>の方が1マナ少ない分だけ強いです。

よし、第1問正解だ。続いて第2問。<粉砕>と<解呪>どちらが強い?

@カード解説
 <粉砕> 赤1 インスタント
  アーティファクト1つ破壊する
 <解呪> 白1 インスタント
  アーティファクトかエンチャント1つを破壊する

これは<解呪>ですね。

なぜだ?

これも色マナが赤と白の違いがありますが、それを考えに入れないとすると、<粉砕>が赤1の2マナのインスタント、<解呪>が白1のこれも2マナのインスタントです。そうなると残りのポイントは効果ですが、<粉砕>はアーティファクトしか破壊できないのに対して、<解呪>はアーティファクトの他にエンチャントも破壊できます。

よし、第2問も正解だ。だいたいわかっているようだな。第1問はマナコストというリソースが少ないから<灰色熊>の方が強い、第2問はエンチャントも破壊できるという対応能力の高さの分だけ<解呪>の方が強いわけだ。つまり、使用するリソースが少なく、得られるリソースが多いカードが強いカードの条件の1つと言うことになる。

そうじゃないんですか?

得られるリソースが多いカードが強いカードの条件で有ることに間違いはない。が、強いカードはそのときで一定じゃないのさ。

どういうことですか?

つまり、リソースはつねにその相対価値が変化しているってことだよ。第3問。<灰色熊>と<甲鱗のワーム>どちらが強い?

@カード解説
 <灰色熊> 緑1 クリーチャー 2/2
  (特殊能力無し)
 <甲鱗のワーム> 緑7 クリーチャー 7/6
  (特殊能力無し)

これは<ワーム>でしょう?

ところがお前は場に土地が2枚しか無かったとすると?

そうなると、<ワーム>は召還できないですね。

そうだな。となると、その場合は<灰色熊>の方が強いと言うことになる。もちろん8マナ出せるなら<ワーム>の方が強いだろうな。出せるマナの量という要因が手札の中のクリーチャーの強さにも影響したと言うことさ。続けて第4問だ。<解呪>と<神の怒り>ではどちらが強い?

@カード解説
 <解呪> 白1 インスタント
  アーティファクトかエンチャント1つを破壊する
 <神の怒り> 白白2 ソーサリー
  全てのクリーチャーを破壊する。再生できない

これは・・・どっちでしょう?

すぐには答えられないだろう?そういう問題を出したつもりだ。

で、結局どちらが強いんですか?

どちらも強いとも弱いとも言えない。これだけでは答えが出せないというのが正解だ。

ずるい!

本当なんだから仕方無いだろう。もしも相手がクリーチャーを出してこなかったら<神の怒り>は紙屑だし、エンチャントもアーティファクトも出してこなかったら今度は逆に<解呪>が紙屑だ。

それはそうですが・・・

だが、そういうことを考えないなら基本的に<神の怒り>の方が強いかもな。

え?そうなんですか?

<解呪>はどうやっても相手のエンチャントかアーティファクト1つしか壊せない。ところが<神の怒り>は相手が出しているクリーチャー全部を破壊できる。1枚のカードで相手の2枚以上のカードに匹敵するわけだ。

そういわれればそうですね。

たいていの場合、アドバンテージはカードアドバンテージになって現れるからな。1枚のカードでたくさんのカードを破壊できるカード、1枚で2枚以上の働きをするカードは強いカードということだ。つまり「アドバンテージを広げる」カードだな。

なるほど。

強いカードは「アドバンテージを広げるカード」だ。これはしっかり覚えておく必要が有るぞ。なにしろ、強いデッキっていうのは何かのリソースについて圧倒的なアドバンテージを取るように作られているのが普通だからな。